“うどん県”として名を馳せている香川県。県民のうどん好きは有名ですよね。そんな香川県内のうどん店で「大豆ファースト」というプロジェクトが始まったというニュースがありました。(2019/10/15 産経ニュース)
香川県のうどんに対する年間支出額は全国トップクラス。その一方で、糖尿病による死亡率は全国ワースト4位を記録。このデータに関して、「うどんをよく食べる影響では……」という懸念の声があったそうです。
そこで香川県民の健康づくりを支援するために、大豆製品を取り扱う食品メーカーとうどん店がコラボしてスタートさせたプロジェクトが、「大豆ファースト」だったのです。
一体どんな健康法なのでしょうか?
大豆ファーストってなに?
「大豆ファースト」とは、その名の通り『食事の最初に大豆を食べる健康法』のことです。
特定の食材を最初に食べる健康法では、「ベジ(野菜)ファースト」がよく知られています。最初にサラダなどの野菜を食べ、タンパク質や糖質をそのあとに摂取することで、余分な糖質や脂質の吸収をコントロールする食事法ですね。
「大豆ファースト」は、その大豆バージョンといったところ。食事の前に大豆製品を食べて、食後の血糖値の上昇を抑えるのが狙いです。
香川県の「大豆ファースト」プロジェクトでは、うどんの前に10〜20粒ほどの蒸し大豆を食べるやり方を取り入れています。
たったこれだけでどんな効果があるのか気になりますよね。
大豆ファーストで期待される効果は?
1.生活習慣病の対策ができる
食後の高血糖は、健康の大敵。高血糖は酸化ストレスを増やすので、老化をグンと進めてしまいます。さらに血糖値を下げるために分泌されるインスリンが増加し、太り過ぎの原因にも。
食事前に大豆を食べて食後の血糖値急上昇をセーブすれば、生活習慣病の対策に役立つのです。
ちなみに、香川県でのプロジェクトで行った検証実験では、26~55歳の健康な男女6人ずつを対象に「大豆ファースト」を実践したところ、うどんを食べてから30分後の血糖値の上昇を抑制することが判明したのだそうです。
2.免疫力へのアプローチができる
大豆には、たんぱく質や食物繊維など、豊富な栄養素が含まれています。たんぱく質を主原料とする筋肉には免疫力をサポートする働きがあるため、食事でしっかり摂取できることが理想です。また、大豆に含まれるオリゴ糖によって、健康を支える“おなか環境”を整える働きも期待できます。
炭水化物中心のメニューが多い現代の食卓で、栄養バランスをしっかり保つのは大変なこと。そんな不安を、小さな大豆の粒がサポートしてくれるのですね。
昔から日本人に親しまれてきた大豆ですが、「大豆ファースト」という健康法が注目されつつあることこそ、その凄さが改めて見直されている証拠ではないでしょうか?
大豆はスーパーフード。
驚くほどの栄養がギュッ!
肉や魚などの他食材と比較しても見劣りしないほど、大豆は栄養豊富です。
筋肉のもととなるたんぱく質、おなかを健やかに保つ食物繊維、代謝に関わるビタミンB群、さらにミネラルや大豆イソフラボン、ポリフェノールなど。健康に欠かせない栄養素が、たっぷり含まれているんです。
「大豆ファースト」は、そんな大豆の凄さを上手に活用した健康法のひとつなのですね。
健康維持のため、バランスの良い食事や運動ももちろん大切ですが、毎日きちんと実践するのはなかなか大変です。そんな私たちにとって、大豆はまさにスーパーフード! 日々を健やかに過ごすためにも、大豆製品を積極的に取り入れていきたいものです。
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参考:
池谷敏郎,奥薗壽子(2018)『医者がすすめる”大豆ファースト”』主婦の友生活シリーズ.
産経新聞(2019年10月16日)「うどんの前に大豆「血糖値抑制」さぬきうどんとフジッコがコラボ」ニュース記事参照