低糖質ダイエット、知っておきたい 「ケトン体」の秘密

今回のテーマは「ケトン体」。

糖質制限中の方なら聞く機会が増える「ケトン体」ですが、いまいち何のことなのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。

体を動かすためにはエネルギーが必要ですが、実はそのエネルギー回路は大きく分けて2種類あります。

まずは「糖質回路」。
そしてもうひとつが「ケトン体回路」。
人間の体は、エネルギーを使うときこの2つのどちらの回路を使ってもいいようにできています。

それぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう!

糖質回路とケトン体回路。
何が違うの?

糖質回路とケトン体回路の大きな違い、それは「エネルギーをどこから使うか」です。

●糖質回路→糖質をエネルギーにする
●ケトン体回路→脂質をエネルギーにする

ダイエットなら、脂肪をエネルギーで使う方が嬉しいですよね。
それぞれの違いをもう少し詳しく見てみましょう。

糖質回路

「糖質」をエネルギー源として働く代謝回路のこと。炭水化物や甘いものを源として動きます。

体の中に糖質が入ると、分解されて「ブドウ糖」などに変わります。
これがエネルギーとして使われるのですが、使い切れずに血糖値が上がると、インスリンが分泌されます。
これにより糖質は筋肉や肝臓にストックされたり、脂肪として溜め込まれてしまったりするのです。

ケトン体回路

一言でいうと、「脂肪」をエネルギー源にして動く代謝回路です。
「脂肪を使って動く」これだけ聞くと、脂肪をどんどん燃やしてくれる回路なわけですから、ダイエッターにとっては夢のようですよね!

しかし、ケトン体は体の中に糖質があるうちは生まれません。

エネルギー源としての糖質が体内でからっぽになってはじめて、次に使われるエネルギーとして「中性脂肪」があがってきます。
この中性脂肪を材料に作られるのが「ケトン体」です。

その仕組みを簡単にまとめると……

1)「中性脂肪」が分解されて「脂肪酸」に
2)「脂肪酸」が血液の中で「遊離脂肪酸」という物質に
3)「遊離脂肪酸」が「ケトン体」に

このような流れで、「ケトン体」という物質が生まれてくるのです。

脂肪を燃やしてエネルギーを作る回路なので、ケトン体回路が「痩せる回路」と呼ばれているのですね。

「ケトン体回路」に切り替えるには?

「よし、それじゃ明日からケトン体回路を動かそう!」
と決意しても、急には切り替えられません。

活動するときのエネルギー源消費の優先順位は、糖質>脂質>たんぱく質 の順番です。

だから、糖質をたっぷり摂る生活を続けているかぎり、いつまでたってもエネルギー源は糖質のまま。
脂肪が燃えるケトン体回路は動き出さないんです。

まずは体内の糖質をすっからかんにすること!これが第一歩です。
糖質制限をするのは、このためだと心に留めておきましょう。

そして、ケトン体回路を動かすために必要な「たんぱく質」をたっぷり摂る!
たんぱく質が不足すると、体はエネルギー限が不足し、エネルギーを使わない「溜め込み体質」になってしまいます。

糖質をオフし、たんぱく質をしっかり補給する。
これで、体脂肪をエネルギー源にするケトン体回路が動き出します。

糖質制限には意味がある

代謝のメイン回路が切り替われば、消費する栄養も変わる。
なぜ糖質をコントロールすれば痩せるのか?
その鍵は、エネルギー回路にあったのです。

このエネルギー回路がうまく切り替わると、今まで糖質にどっぷりだった人ほど、効果が現れやすいと言われています。

よりストイックな糖質制限で
ケトン体回路オン。

ケトン体回路を優先させるための糖質制限は、1日の糖質量30g以下とかなりストイック。
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